遺品整理ガイド

遺品整理とは

故人の残した品々はすべて遺品となり、生前に使用してた生活雑貨・衣類・家具・家電製品を含め貴重品・金品・不動産の中で財産価値の高い物が遺産となります。故人の遺品を遺族で分け合うことを形見分けと呼び、こうした選定作業を総称して遺品整理と呼びます。

少子高齢化・核家族化を背景に、独居老人の孤独死が社会問題化し、家具・家電製品や生活用品が大量に残された状態で住人が亡くなった場合、残された遺族が遺品の整理等を行わなければなりません。

遺品整理を始める前の注意点

財産の確認する

預貯金や不動産、有価証券など、財産を把握することも必要です。物品を整理する中で出てくることも有ります。そのため、部屋の整理を行う必要は有りますが、相続の方針が決まるまで換金してはいけません。

負債の確認する

相続するか否かを判断する為には、負債の額を把握することが重要です。個人信用情報機関で情報開示を受けることができます。遺品とは言い換えると遺産であるため、負債を把握する前に遺品整理をしてしまうと、思わぬ借金が有った時に相続放棄が出来なくなる可能性があります。

相続手続きをする

遺留分を侵害しない限り、遺産の相続は遺言書によって定められます。自宅に遺言書がある場合は、遺言書を家庭裁判所に持参して検認を受けなければなりません。またこの際、相続人を確定することも必要となります。

もし財産よりも借金の方が多ければ、相続放棄や限定承認をする必要があります。この場合は、死亡の事実を知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に届け出なければなりません。

届け出をしないと単純承認となり、財産も負債も全て相続することになります。そのため、借金も相続してしまいますから注意が必要です。また遺言書で相続の指定がされている場合は、財産を勝手に処分してはいけません。後日、他の相続人に訴えられる危険性があります。

3種類の相続方法

単純承認
プラスの財産もマイナスの財産も全て相続する方法。限定承認も相続放棄もしない場合には、原則単純承認したとみなされる。

限定承認
プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続し、弁済後に残ったプラスの財産を相続する方法。

相続放棄
プラスの財産もマイナスの財産も含め、一切の財産を相続しない方法。

相続放棄するなら遺品整理はNG

相続放棄は、一切の財産を相続しないという意思表示です。その為、遺品整理をしてしまうと、財産に関する権利を行使する意思があると判断され、相続放棄が認められなくなってしまいます。

遺族全員の合意をとっておく

遺品整理は遺族全員がそろってから行いましょう。他の遺族の了承を得ず勝手に遺品整理を行うことはトラブルの元です。民法上、遺品は相続人の共有物となりますので、無断で処分することはできません。
実家の遺品を扱う際は前もって連絡することや、どのような方針で遺品整理を行うか話し合っておくと、効率的に行うことが出来ます。

遺品整理を行うタイミングはいつ?

まず、遺品整理をある時期や期日までにやらなければいけないという決まりはありません。
遺品整理の内容や取り掛かる時期、かかる日数など正解はありません。
そのため状況によって適切なタイミングを判断しなければなりません。
ここではいくつか目安となる時期をご紹介します。

葬儀後すぐ

賃貸物件の明け渡しが迫っている場合や、親族同士が遠方に住んでいて集まる機会が少ない場合には葬儀後すぐ行う場合が多いです。

諸手続き完了後

死亡届、電気、ガス、水道、年金、保険の手続きなど、様々な手続きが必要となります。これらの手続きが一通り終わったところで遺品整理に着手すると気も楽でしょう。

49日を迎えた後

仏教では、故人の魂は死後四十九日まで現世をさまよっていると考えられています。そこで、魂が飛び立った四十九日をきっかけとして遺品整理を始める方も多いようです。また、法要は親族が集まる機会でもあるため、形見分けもしやすくなります。

相続税発生前

相続税とは、相続する遺産にかかる税金のことです。亡くなった方の遺した財産が、相続税の非課税額を超えていた場合、相続性の申告書を作成し、税務署に提出する必要があります。申告書の提出期限は被相続人がお亡くなりになってから10ヶ月以内に申告・納税しないといけません。この期間を過ぎてしまうと、相続税の控除を受けられなくなり、延滞税を課されてしまうことがあります。

おすすめのタイミング

遺品整理を行う時期としておすすめなのは、自分の気持ちに整理がついたタイミングです。確かに一般的なタイミングでの遺品整理は、効率的に行うことができます。しかし、まだ精神的に落ち着いていない時期に無理して遺品整理を行うと、余計に心が乱されてしまい、思うように進みません。
実家におもむいて処分品と貴重品の仕分けをしているとアルバムや写真などが目に入ります。手に取ると故人との想い出がよみがえってきます。すると感情的になかなか手がつかないケースが多く、2~3年ほど実家をそのままの状態にしている人も少なくありません。
そのため、故人への思いに整理がついたタイミングが遺品整理を行うのにもっともよい時期です。しかし長く年月を空けすぎると、面倒に感じるようになってしまうこともあります。いつ頃から遺品整理を始める、という目安となる時期を決めておくと、気持ちの整理もつけやすくなるでしょう。

遺品整理の進め方

事前準備

服装

まずは怪我なく安全に整理するために服装を整えましょう。軍手、動きやすく、汚れてもよい服、マスク、スリッパ、厚手の靴下等を身につけて露出を少なくすることがポイントです。

分別の為に用意するもの

・ゴミ袋
自治体指定のものがあれば選びます。大きすぎるとゴミを入れたときに運搬しにくいので、45〜70リットル程度がよいでしょう。

・ダンボール
ダンボールも大きすぎると重くなり、運ぶのが難しくなってしまいます。120サイズを多めに、大きい物用に160サイズもいくつか用意しておくと便利です。

・ガムテープ
布でもクラフトタイプでもどちらのテープでも構いません。

・ハサミやカッターナイフ
切れ味のよいものを人数分用意しておくとよいでしょう。

・油性マジックペン
ダンボールに何を入れたか分からなくならないように書いておきます。

スケジュールを決める

遺品整理を行う時に最も大事にしたいことは、スケジュールを立てることです。ノープランで開始してしまうとダラダラと長引く可能性があるため、結果的に片付けを中途半端に放置してしまう恐れがあります。

そこでまず決めることは「いつまでに終わらせるか」という終了予定日の設定です。遺品の量や片付けに携わる人数によってかかる時間が変わりますので、無理のない作業期間を設けます。

次に「この日はリビングの片付けする」といった具体的な内容を決めます。その日の目標があるのとないのでは作業スピードに大きな違いが出ますので、計画は終了予定日から逆算して立ててみましょう。

貴重品や重要な物の捜索

まずは遺言書やエンディングノートなどの故人の思いが分かる物、手続きで必要となる物や貴重品を探しましょう。

主な貴重品リスト

・遺言書やエンディングノート
・現金や商品券
・銀行等の預金通帳印鑑(銀行印・実印)
・鍵(車、金庫、部屋など)
・健康保険証や年金手帳
・カード類(キャッシュカード、クレジットカード、マイナンバーカードなど)
・土地の権利書など不動産関連の書類
・生命保険や損害保険の証書と関連書類
・有価証券に関する書類、金融資産の書類
・各種契約書(携帯電話、インターネット、公共料金など)
・借金などに関する書類
・宝石、宝飾品類、高級時計、金、銀、プラチナなどの貴金属
・骨董品、美術品、切手、コインなどのコレクション品

作業の為の動線を確保する

作業を安全にかつ効率的に進めるためには動線の確保が必要です。ゴミの搬出等も考えて通路にある家財を端に寄せましょう。また玄関に近いところから整理していくのもおすすめです。

仕分けをする

ダンボールやビニール袋を多めに用意し、必要、不要、保留の3つに仕分けします。ダンボールなど何が入っているのかマジックペンで書いておくと後で分かりやすいです。
基本的には写真や日記など思い出の詰まったもの、故人の愛用品は残しておくようにしましょう。
親族でよく話し合い後悔しない遺品整理にしましょう。

形見分け

遺品を処分する前に親族間で形見分けを行うこともおすすめです。
今では行うことが少なくなった形見分けですが、親族をはじめ親交のあった方に故人の愛用品を贈ることが供養にもなります。

形見分けの注意点

遺産分割協議後に行う
協議前に行うと後にに相続トラブルの原因になります。

・目上の方には送らない
形見分けは目上の方から目下の方に贈るものです。

・高価な物は贈らない
高価なものは贈与税が発生してしまう可能性があるので避けましょう。

・包装はしない
基本的には形見に包装はしません。もし必要ならば半紙などの白い紙で簡単に包む程度に留めておきましょう。

遺品を適切に処分する

面倒臭いからと処分品をまとめてしまうのではなく、種類ごとに適切に処分する必要があります。

普通ゴミ

・プラスチック
・紙、布類
・缶、ビン、ペットボトル
・燃えるゴミ
・燃えないゴミ
・小さな金属

粗大ゴミ

一番長い辺が金属製品で30cm以上、プラスチック、木製品などは50cm以上の物が対象となります。

普通ゴミや粗大ゴミで回収出来ない物

・リサイクル家電
エアコン、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、乾燥機、パソコン

・処理が困難な物
バッテリー、ガスボンベ、灯油、ガソリン、塗料、薬品、農薬、タイヤ、耐火金庫、ピアノ等の重量物、消火器、バイク

供養が必要な物

神棚や仏壇、思い入れのある品

遺品整理が大変な時は

自分たちで作業をする方が費用的には安く抑えられます。しかし何十年も人が住んでいた家は想像よりもたくさんの物で溢れていることが多いです。また思い出のアルバムを目にしたとたん、涙があふれ、悲しみで作業が進まないということもよくあります。
部屋数が多かったり、荷物が多かったりすると仕分けをするのも大変です。処分品が多い場合など、日を分けてこまめに出したりすれば手間も時間もかかります。

・住まいが遠方

・時間が確保できない

・重い物を運び出せない

・自力で始めて見たけど思ったより大変

そんな時は専門業者に依頼をするのがおすすめです。

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